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カプリル酸およびモノカプリリンの主要乳房炎菌に対する抗菌効果(抄訳)


Antibacterial Effect of CaprylicAcid and Monocaprylin on Major Bacterial Mastitis Pathogens

コネチカット大学 M.K.M.Nairら6名

Dairy Sci. 88:3488-3495(2005)


 この研究の目的は、カプリル酸とそのモノグリセリドである モノカプリリン がStreptococcus agalactiae(無乳性レンサ球菌)、Streptococcus dysgalactiae(減乳性レンサ球菌)、Streptococcus uberis(乳房レンサ球菌)、 Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)およびEscherichia coli (大腸菌)といった乳房炎菌を不活性化するのに有効か否かを調べることにある。

 上記の5つの菌は臨床型乳房炎牛から分離した各3株を用い、それぞれの病原体の3株混合体を培養し、滅菌した新鮮バルク乳に菌数が7.0 log cfu/mlになるように接種した(乳サンプル)。
 カプリル酸およびモノカプリリンはジメチルスルフォキシド(DMSO;Fisher Scientific Co., Pittsburg, PA) に溶解し、これを最終濃度がカプリル酸では50 mMおよび100 mM、モノカプリリンでは25 mMおよび50mMになるように乳サンプルに添加し、処理区とした。対照区は、乳サンプルにDMSOのみを添加したもの(DMSO対照区)およびDMSOも添加しなかったもの(乳対照区)とした。すべての処理区および対照区ともに39℃で培養した。
 病原菌数は培養0分後、1分後、6時間後、12時間後、および24時間後に計測した。

 その結果、無乳性レンサ球菌(図1)、減乳性レンサ球菌(図2)および乳房レンサ球菌(図3)に対してカプリル酸およびモノカプリリンを添加した処理区ではDMSO対照区および乳対照区に比べて菌数が著しく低下した。すなわち、培養開始時の平均菌数は 7.0 log cfu/ml であったが、カプリル酸100 mM添加区およびモノカプリリン50 mM添加区では病原菌を急速に殺菌し、培養1分後にほぼ5.0 log cfu/ml低下して、約2.0 log cfu/ml に、さらに培養6時間後には1.0 log cfu/mlにまで低下し、24時間後にはさらに低下した。







 図4には黄色ブドウ球菌に対する影響を示してある。4処理区のうち、カプリル酸100 mM添加区およびモノカプリリン50 mM添加区で最も効果があった。これらの2処理では培養 1分後に黄色ブドウ球菌は 2 log cfu/ml以上減少し、約5log cfu/mlに、また培養6時間後では、すべての処理で5.0 log cfu/ml以上の減少して2 log cfu/mlとなったが、24時間後には更なる低下はなかった。一方、DMSO対照区および乳対照区では、黄色ブドウ球菌数は24時間の培養でほぼ8.0 log cfu/mlまで増加した。
 図5には大腸菌に対する成績を示してある。レンサ球菌や黄色ブドウ球菌でみられた成績と同様に、カプリル酸およびモノカプリリンは乳中の大腸菌の殺菌に有効であった。







まとめ

 脂肪酸は石鹸中の抗菌物として長い間使われてきたが、個々の脂肪酸についての抗菌性能については1930年代まであまり関心が寄せられていなかった。遊離脂肪酸およびそのエステルの抗菌性に関しては現在までに沢山の文献があるが、これらの乳中細菌、あるいは有機質を沢山含んだ溶媒中での細菌への殺菌性についての文献は少ない。その意味でこの報告書は貴重なデータを提供している。
 カプリル酸およびモノカプリリンが殺菌能力を示す理由のひとつはこれらの酸が短鎖であるためだろう、と著者らは述べている。中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸よりも殺菌能は強い。脂肪酸および炭素数が8から12のモノグリセリドはそれよりも長鎖のものよりも抗ウイルス性および抗菌性が強いとの報告もある。
 細菌の細胞表層に吸着して殺菌能を発揮するためには、脂肪酸は溶液の状態で、かつ脂肪親和性が十分になければならない。カプリル酸は炭素数8の短鎖脂肪酸であり、中鎖脂肪酸や長鎖脂肪酸よりもより溶解性があって殺菌能が高いと考えられる。

 家畜病原細菌に対する抗生剤の使用は、食物連鎖により畜産物に残留する可能性があることから人の健康への危惧が衛生、科学分野で大きな関心を呼んでいる。また、抗生剤の過度の使用によって、大腸菌やサルモネラといったグラム陰性菌が様々な薬剤耐性を獲得し、治療を困難にし、問題視されている。
 その点、脂肪酸およびそのモノグリセリドは様々なメカニズムによって殺菌し、それに対する細菌側の抵抗獲得は無視できるほど少ない点が強調されねばならない。さらに、脂肪酸およびそのモノグリセリドは、乳のような自然分泌物中にも存在していると考えられているので、低い濃度ならば粘膜に対して毒性はないと考えられる。カプリル酸は、食品添加物の化学物質として公式に認可されているものである点も有利である。

 以上のように、この試験報告書でカプリル酸およびモノカプリリンは主要乳房炎菌に対して確実な殺菌効果があることが証明された。



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